ヌートリアを見つけたらお金がもらえる?捕獲で報奨金がもらえる仕組みを解説

ヌートリアを見つけたらお金がもらえる?捕獲で報奨金がもらえる仕組みを解説

「近所の川にいるヌートリアを見つけたら、報奨金がもらえるらしい!」
SNSなどでこんな噂を目にして、「本当ならちょっとしたお小遣い稼ぎになるかも?」と考えたことはありませんか?

結論から言うと、残念ながらヌートリアを「発見しただけ」では1円ももらうことはできません。

確かに自治体による報奨金(駆除奨励金)制度は存在しますが、それは厳しい条件をクリアした「捕獲」に対する報酬です。もし「じゃあ網で捕まえればいいのでは?」と素人が安易に手を出すと、思わぬ大怪我や、「鳥獣保護管理法」などの法律違反で前科がつく恐ろしい事態に発展する危険性があります。

本記事では、ヌートリアとお金にまつわる以下の疑問を徹底解説します。

  • いくらもらえる?報奨金を受け取るための厳しい条件と仕組み
  • 素人が絶対に捕獲してはいけない3つの理由(逮捕・罰金のリスク)
  • もし近所や畑で見かけたらどうする?安全で正しい対処法

この記事を読めば、ネットの無責任な噂に振り回されることなく、特定外来生物に対する正しい知識と安全な行動が身につきます。ご自身と地域の安全を守るために、ぜひ最後までご覧ください。

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【結論】ヌートリアは「見つけただけ」ではお金(報奨金)はもらえない!

川辺や公園などで、カピバラに似た大きなネズミのような動物「ヌートリア」を見かけたことはありませんか?ネットやSNSでは「ヌートリアを見つけるとお金がもらえるらしい!」という噂を耳にすることがありますが、本当にお小遣い稼ぎができるのでしょうか。

結論から言うと、残念ながらヌートリアを「発見しただけ」では、誰からもお金(報奨金)をもらうことはできません。まずは、この噂の真相と報奨金の正しい仕組みについて解説します。

SNSの噂は本当?「発見=お金がもらえる」という誤解の理由

X(旧Twitter)やTikTokなどのSNSでは、「近所の川に数千円が泳いでいた(笑)」「ヌートリア見つけた!これで報奨金ゲット!」といった冗談交じりの投稿がバズることがあります。

こうした投稿を見た人が、「見つけて役所に通報するだけでお金がもらえる」「スマホで写真を撮って送れば懸賞金が出る」と勘違いして拡散してしまったのが、この誤解の最大の理由です。

確かにヌートリアに関する報奨金制度自体は存在しますが、それは決して「ツチノコ発見キャンペーン」のような、単なる発見者への謝礼やエンタメではありません。

報奨金(駆除奨励金)の正体:農作物を守るための「自治体による捕獲報酬」

お金がもらえるという噂の元となっているのは、被害に悩む各自治体が設けている「鳥獣被害対策の報奨金(駆除奨励金)制度」です。

ヌートリアは、水稲(稲)や野菜などの農作物に深刻な食害をもたらすだけでなく、ため池や堤防に巨大な巣穴を掘って崩落の危険を引き起こす、非常に厄介な「特定外来生物」です。

そのため、自治体(主に生息数の多い西日本)が、「適切な許可を得て、実際にヌートリアを捕獲・駆除してくれた人(主に地元の猟友会や被害を受けた農家)」に対して、その労力や道具代の対価として支払っているのが報奨金の正体です。つまり、「見つける」のではなく、厳格なルールの下で「自らの手で捕獲する」というハードルをクリアしなければ、報奨金は支払われないのです。

いくらもらえる?ヌートリアの捕獲報奨金の相場と仕組み

「発見しただけではもらえない」とお伝えしましたが、では実際に自治体の許可を得てヌートリアを捕獲した場合、一体いくらくらいの報奨金(駆除奨励金)が支払われるのでしょうか。

ここでは、報奨金の具体的な金額相場や、受け取るためにクリアしなければならない厳格な条件について解説します。

1頭あたり数千円?自治体によって異なる報奨金の金額相場

ヌートリアの捕獲に対する報奨金の額は、国が一律で決めているわけではなく、各市町村が予算の範囲内で独自に設定しています。

全国的な相場としては、1頭あたり1,000円〜3,000円程度に設定している自治体が多い傾向にあります。(※一部の地域では5,000円〜6,000円程度支払われるケースもあります)

シカやイノシシといった大型の害獣(1頭あたり1万円〜数万円)に比べると金額は低く設定されており、罠の購入費や見回りの労力を考えると、決して「割のいいビジネス(お小遣い稼ぎ)」とは言えないのが現実です。

報奨金を受け取るための条件(対象地域、申請期間など)

報奨金を受け取るためには、大前提として「その自治体から有害鳥獣捕獲の許可(または委託)を受けていること」が必要です。

主な条件として、以下のような項目を満たさなければなりません。

  • 対象者: 狩猟免許の所持者、または自治体が実施する講習会を受講して「捕獲従事者」として名簿登録された人。
  • 対象地域: その自治体の管轄内で、農作物などに実害が出ている指定エリア内での捕獲に限る。(他県で捕まえて持ち込んでも無効です)
  • 申請期間: 自治体が定めた期間内(あるいは予算が上限に達するまで)に指定の窓口へ申請書を提出する。

つまり、一般の人がたまたま散歩中に捕まえて市役所に持っていっても、許可を持っていなければ報奨金は支払われません。それどころか、後述する法律違反に問われる可能性があります。

証拠として何が必要?(しっぽの提出や写真撮影のルール)

捕獲したことを証明し、不正受給を防ぐための「証拠提出」のルールも非常に厳格で、少し生々しい作業が伴います。

多くの自治体では、確実にその個体を駆除したという証明のために、「切り取った尻尾(しっぽ)」の提出が義務付けられています。さらに、尻尾だけでなく「捕獲した場所や日付が明確にわかる状態での写真(スプレーで死骸にマーキングして撮影するなど)」の添付を求められるケースも一般的です。

「可哀想だから生きたまま捕まえて引き渡したい」という人もいるかもしれませんが、報奨金制度はあくまで「駆除(殺処分)」を前提とした仕組みであることを理解しておく必要があります。

要注意!素人が「お小遣い稼ぎ」で捕獲してはいけない3つの理由(法律と危険性)

報奨金がもらえる条件を知って、「じゃあ許可を取って網で捕まえればいいのでは?」と考えた方もいるかもしれません。しかし、素人が軽い気持ちで野生のヌートリアに手を出すのは絶対にやめてください。

ここでは、無知な状態での捕獲が「犯罪」になり得る理由や、命に関わる物理的な危険性について、3つの視点から強く警告します。

1. 【法律違反】無許可での捕獲は「鳥獣保護管理法」で罰せられる

日本に生息する野生鳥獣は、原則として「鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)」によって守られています。たとえ外来種であっても、自治体の許可や狩猟免許を持たない一般人が、勝手に罠を仕掛けたり捕獲したりすることは法律で禁止されています。

「農作物を荒らされたから」「お小遣いが欲しいから」という個人的な理由で無許可捕獲を行った場合、密猟とみなされ、懲役や罰金といった重い刑罰が科せられる可能性があります。

2. 生きたままの運搬はNG!「外来生物法(特定外来生物)」の厳しいルール

さらに厄介なのが、ヌートリアが「特定外来生物」に指定されている点です。日本の生態系を破壊する恐れがあるため、「外来生物法」によって、生きたまま移動させる(運搬する)ことや、飼育・保管することが厳しく禁止されています。

つまり、「網で生け捕りにして、軽トラに乗せて市役所に持っていく」という行為自体が法律違反(生きたままの運搬)となります。このルールを破った場合、個人の場合は「最大で懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金」という、非常に重い罰則が規定されています。報奨金数千円のために背負うリスクとしては、あまりにも巨大です。

3. 感染症や寄生虫のリスク:鋭い牙による噛みつきなど深刻な怪我の危険

法律面だけでなく、物理的な危険も伴います。ヌートリアはカピバラのように大人しそうな見た目をしていますが、れっきとした野生動物です。危険を感じれば激しく威嚇し、攻撃してきます。

特に恐ろしいのが、硬い木すらも削り取る「オレンジ色の鋭く巨大な前歯」です。素手で触ろうとして噛みつかれれば、指の骨を砕かれたり、肉を噛みちぎられたりする大怪我に直結します。

また、野生の水辺に生息しているため、どのような病原菌や寄生虫を保有しているか分かりません。噛み傷からの深刻な感染症(人獣共通感染症)のリスクがあるため、防刃グローブなどの専門装備を持たない素人が近づくのは自殺行為と言えます。

もし近所や川でヌートリアを見つけたらどうすべき?正しい対処法

「自分で捕獲して報奨金をもらうのは無理だ」と分かったところで、実際に近所の川や公園、あるいは自分の畑でヌートリアに遭遇してしまった場合は、どう対応するのが正解なのでしょうか。

市民が取るべき「安全で正しい2つのアクション」をご紹介します。

絶対に近づかない・エサを与えない(可愛い見た目に騙されないで)

偶然見かけた際に最も重要なルールは、「何もしない(刺激しない・放置する)」ことです。

ヌートリアはカピバラに似た愛嬌のある顔をしているため、水辺を泳いでいる姿を見ると、つい近づいて写真を撮ったり、パンの耳などのエサを与えたくなったりするかもしれません。しかし、これは絶対にNGです。

前述の通り、噛みつかれれば大怪我や感染症のリスクがあります。さらに、人間がエサを与えることでその場所に居着いてしまい、異常繁殖を引き起こす原因となります。結果として、近隣の農家や生態系に甚大な被害をもたらすことになり、無責任な餌付けは地域トラブルの元凶となります。見つけても、そっとその場を離れるのが鉄則です。

農作物への被害や生活環境への悪影響がある場合は「自治体の窓口」へ通報を

単に川を泳いでいるのを見かけた程度であれば、基本的には静観するしかありません。しかし、「自分の畑の野菜が食べられた」「ため池の堤防に巨大な穴を掘られている」「庭に住み着いて困っている」といった明確な実害(生活環境や農林水産業への被害)が発生している場合は、すぐに行動を起こす必要があります。

被害が出ている場合は、お住まいの市区町村の「環境課」「農林水産課」「鳥獣被害対策窓口」などへ通報・相談してください。

自治体によって対応は異なりますが、状況の確認に来てくれたり、専門の捕獲許可を持った猟友会や駆除業者を手配してくれたり、あるいは自己防衛のための箱罠(はこわな)を貸し出してくれたり(※この場合は事前の捕獲許可申請が必要です)と、適切なサポートを受けることができます。

まとめ:ヌートリアの報奨金は「プロや許可を得た人」向けの制度

ここまで、SNS等で噂される「ヌートリアを見つけたらお金がもらえる」という情報の真相と、報奨金の正しい仕組み、そして素人が捕獲する危険性について解説してきました。

結論として、ヌートリアの報奨金(駆除奨励金)は、決して一般人のためのお小遣い稼ぎやエンターテインメントの対象ではありません。農作物や地域の安全を守るために、適切な許可と装備を持った「プロ(猟友会など)や被害に遭っている農家」が、リスクを背負って駆除を行うための制度です。

安易な捕獲はNG!外来種問題の深刻さを理解し、適切な対応を心がけよう

「数千円もらえるかもしれない」という軽い気持ちで手を出せば、鳥獣保護管理法や外来生物法といった厳しい法律に触れ、数十万〜数百万円の罰金という取り返しのつかない事態を招きかねません。また、鋭い牙による大怪我や感染症のリスクなど、命に関わる危険も伴います。

ヌートリアは、日本の生態系やインフラ(ため池・堤防)を脅かす「特定外来生物」という深刻な社会問題です。私たち一般市民にできる最も正しい行動は、「見つけても絶対に近づかない・エサをやらない」こと、そして「実害が出ている場合は速やかに自治体へ通報すること」です。

もしあなたの周りで「見つけたらお金になるらしいよ!」と誤解している人がいたら、ぜひこの記事で解説した正しい知識と法律のリスクを教えてあげてくださいね。

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